インターンや選考の案内に「グループワーク」と書かれていると、「何をするのか」「グループディスカッションとは何が違うのか」「どの役割を担当すればよいのか」と迷うことがあります。初対面の学生と限られた時間で取り組むため、当日の進み方がイメージできず、不安になる人もいるでしょう。
グループワークで最初に確認したいのは、役割分担ではありません。まず課題の目的と、最後に提出・発表するもの、使える時間や資料を確認します。そのうえで、完成までに必要な作業を整理してから役割を決めると、途中で進行が止まりにくくなります。
この記事では、課題の確認から役割分担、意見出し、案の決定、成果物の作成、発表まで、グループワークの基本的な進め方を解説します。役割が付かなかったときや議論が止まったときの対応、対面・オンラインで参加する際のポイントも紹介します。
グループワークとグループディスカッションの違い
グループワークとグループディスカッションは、呼び方が企業によって違う言葉です。一般には、話し合って結論をまとめる形式をグループディスカッション、話し合いに加えて企画書や資料などを作る形式をグループワークと呼ぶことがあります。
| 比較項目 | グループワーク | グループディスカッション |
|---|---|---|
| 主なゴール | 課題に応じた成果物や発表を完成させる場合がある | 話し合いを通じて、グループの結論をまとめる場合がある |
| 作業内容 | 話し合い、情報の整理、制作、計算、資料作成など | 意見出し、比較、合意形成、結論のまとめなど |
| 最後に出すもの | 企画書、資料、模型、発表など | グループとしての結論や理由 |
| 時間の使い方 | 議論と制作の両方へ時間を配分する | 議論と結論のまとめへ時間を配分する |
| 参加前に確認すること | 成果物の形式、使える材料やツール、発表方法 | テーマの範囲、結論の出し方、発表方法 |
呼び方だけでは、実際の形式を判断できません。「グループワーク」と書かれていても議論だけの場合があり、「グループディスカッション」と書かれていても資料作成や発表が含まれる場合があります。企業から届いた案内と当日の説明を確認してください。話し合って結論を出す形式の進め方は、グループディスカッションの進め方|役割・評価ポイント・通過のコツをご覧ください。
案内文のどこを見れば形式が分かるか
案内文に「グループワーク」としか書かれていない場合でも、次の語句があれば制作や発表を含む可能性が高くなります。判断できない場合は、当日の説明を聞いてから作業の分け方を決めます。
| 案内文にある語句 | 想定される形式 | 先に準備しておくこと |
|---|---|---|
| 企画書・提案書・シート | 資料を1点仕上げる形式 | 1枚に入れる項目を決める段取り |
| 発表・プレゼン・成果報告 | 発表までを含む形式 | 発表時間と話す順番の配分 |
| ワークシート・配布資料 | 用紙に書き込む形式 | 記入欄の分担 |
| PC持参・画面共有 | スライドや共同編集を使う形式 | ツールの操作と共有設定 |
| テーマ・お題・討議 | 議論中心の形式 | 結論の出し方と判断基準 |
グループワークの代表的な課題の型
出される課題は、大きく4つの型に分かれます。型が分かると、どの作業に時間がかかるか見当がつきます。
| 課題の型 | 課題の例 | 時間がかかりやすい作業 |
|---|---|---|
| 課題解決型 | 利用者を増やす方法を提案する | 現状の整理と、提案を1つへ絞る判断 |
| 選択型 | 3つの案から1つを選び、理由を説明する | 判断基準を決めること |
| 作業型 | 与えられた条件で配分や計算を行う | 条件の読み落としの確認 |
| 制作型 | 紙や材料で指定されたものを作る | 作り始める時刻の決定と手順の分担 |
課題解決型と選択型は話し合いの時間が長くなり、作業型と制作型は手を動かす時間を先に確保しないと間に合いません。当日、課題文を読んだ時点でどの型か見当をつけ、時間の配分を変えてください。
選考のグループワークと、インターン本番のグループワークの違い
グループワークは、選考の中で行われる場合と、インターンへ参加した後の業務として行われる場合があります。手順は共通しますが、使える時間と情報量が違います。
| 比較項目 | 選考のグループワーク | インターン本番のグループワーク |
|---|---|---|
| 持ち時間 | 30〜60分程度で完結する | 数日から数週間かけることがある |
| 情報 | 課題文と配布資料の範囲で考える | 社内資料や社員への質問で情報を増やせる |
| メンバー | 初対面の学生同士 | 社員やほかの参加者と組むことがある |
| 成果物 | その場で作って発表する | 途中で修正を受けながら仕上げる |
| 優先すること | 時間内に課題へ答える | 内容の精度を上げる |
選考では、情報を増やす手段が限られます。課題文に書かれていないことを調べにいくのではなく、与えられた範囲で説明できる案を選ぶほうが、時間内に収まります。長期インターンの選考全体の流れは、長期インターンの面接対策|合格者が実践する準備と質問対策も参考にしてください。
選考でグループ形式が出る割合(学生転職の掲載データ)
グループワークやグループディスカッションは、すべての選考で課される形式ではありません。学生転職に掲載中の求人のうち、選考フローを学生向けに公開している199件・765ステップを集計すると、次のようになりました。
| 集計項目 | 件数 | 補足 |
|---|---|---|
| 集計対象の求人 | 199件 | 選考フローを学生向けに公開しているもの |
| 集計対象の選考ステップ | 765件 | 1件あたり平均3.8ステップ |
| グループ形式を明記したステップ | 10件(9求人) | 「グループ面接」「面接(グループ)」など |
| うちグループディスカッションと明記 | 2件 | 「グループディスカッション」「同選考」 |
| 面接・面談を含むステップ | 441件 | 個人面接を含む |
集計:学生転職 掲載求人データ(2026年10月時点)。長期インターンを中心とした掲載求人に限った数字で、新卒本選考全体の割合を示すものではありません。
もう一つ分かったのは、グループ形式が選考フローのどこに置かれているかです。該当した10ステップの位置を並べると、次のようになりました。
| 選考フローでの位置 | 件数 | その求人のステップ数 |
|---|---|---|
| 1ステップ目 | 3件 | 3〜4ステップ |
| 2ステップ目 | 5件 | 4〜5ステップ |
| 3ステップ目 | 1件 | 6ステップ |
| 4ステップ目 | 1件 | 6ステップ |
| 5ステップ目以降 | 0件 | ― |
10件すべてが4ステップ目までに置かれ、8件は1〜2ステップ目でした。グループ形式は、選考の序盤に置かれやすい形式だということです。
序盤にあるということは、案内が届いてから本番までの期間が短く、形式を確認する時間が限られるということでもあります。この記事の手順は、当日の説明を聞いてからでも使えるように、確認する項目から順に並べています。
始める前に確認する5つのこと
役割を決める前に、課題、成果物、制約、時間、使える環境を確認します。ここがそろっていないまま話し始めると、途中で前提がずれ、成果物を作り直すことがあります。
課題を読む 何を求められているかを確認する
「考える」「作る」「比べる」のどれか
成果物を決める 最後に出すものの形式をそろえる
企画シート、スライド、口頭発表など
時間を区切る 案を決める時刻と作り始める時刻を置く
発表の確認時間を先に残す
作業へ分ける 必要な作業だけを担当へ割り振る
役割名は後からでもよい
ここまでを数分で終えると、制作の時間が残る
確認は「課題 → 成果物 → 時間 → 作業」の順で進める
1. 課題が求めていること
まず、課題文の動詞を確認してください。「考える」「選ぶ」「作る」「改善する」「比較する」「提案する」「発表する」のどれを求められているかで、必要な作業が変わります。課題文に資料や企画案の作成が指定されている場合は、議論だけでなく制作時間も必要です。
2. 最後に出すもの
- 口頭発表だけか
- 企画書を作るか
- スライドを作るか
- 紙や材料を使うか
- 計算結果を提出するか
- 代表者が発表するか、全員が発表するか
3. 制約
対象者、予算、使える材料、文字数や枚数、作成ツール、禁止事項、課題文に明示された条件を確認します。案内へ書かれていない条件を、自分たちで追加する必要はありません。
4. 制限時間
開始から終了までの時間だけでは足りません。作業終了時刻、提出時刻、発表時間、質疑応答の有無を分けて確認してください。発表が3分か10分かで、作る資料の量が変わります。
時間の配分に決まった正解はありませんが、制作と発表確認の時間を後回しにすると間に合わなくなります。目安として、次のような区切り方があります。
| 持ち時間 | 案を決めるまで | 成果物の作成 | 発表の確認 |
|---|---|---|---|
| 30分程度 | 10〜12分 | 12〜15分 | 3〜5分 |
| 45分程度 | 15〜18分 | 20〜22分 | 5〜7分 |
| 60分程度 | 20〜25分 | 25〜30分 | 7〜10分 |
あくまで配分の目安です。課題の重さ、人数、成果物の形式によって変わります。当日の説明で時間の指定があれば、そちらを優先してください。
5. メンバーと使用できる環境
確認するのは、人数、対面かオンラインか、共有資料、ホワイトボード、付箋、共有ドキュメント、画面共有の可否です。事前案内に書かれている内容を確認し、当日に追加説明があればそちらを優先します。
人数は4〜6人程度で実施されることが多く、人数によって作業の分け方が変わります。目安として整理すると次のようになります。
| 人数 | 作業の分け方の目安 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 3人以下 | 1人が複数の作業を担当する | 記録と制作を同じ人が持つと手が止まりやすい |
| 4〜5人 | 進行・記録・制作・発表を分けやすい | 分けただけで共有を忘れないようにする |
| 6人以上 | 制作を2人以上で分担できる | 発言していない人が出やすいので声をかける |
その場で確認してよいことと、自分たちで決めること
課題文に書かれていない条件が出てきた場合、すべてを質問する必要はありません。課題の前提に関わることは確認し、進め方の細部はグループで決めます。
| 内容 | 扱い | 例 |
|---|---|---|
| 提出物の形式・枚数 | 確認する | 企画シートは1枚か、裏面も使えるか |
| 発表時間と発表者の数 | 確認する | 代表1人か、全員が話すか |
| 使えるツールや材料 | 確認する | PCや配布資料を使ってよいか |
| 対象をどこまで絞るか | グループで決める | 大学生のうち何年生を想定するか |
| 判断基準 | グループで決める | 実行しやすさを優先するか、効果を優先するか |
| 役割の名前 | グループで決める | 進行役を置くかどうか |
質問の可否や方法は、当日の案内に従ってください。質問を受け付けない形式もあります。
課題文を作業へ変える
課題文は、そのままでは作業になりません。次の6項目へ分けると、誰が何をするか決めやすくなります。ここでは「大学生向けの新しい学食サービスを考え、企画シート1枚へまとめ、3分で発表してください」という架空の課題で示します。流れを説明するための例であり、実際の企業課題ではありません。
| 確認すること | 課題文から分かること | グループで決めること |
|---|---|---|
| 目的 | 新しい学食サービスを提案する | どの困りごとを解決するか |
| 対象 | 大学生 | 学年、利用時間帯など、対象をどこまで絞るか |
| 成果物 | 企画シート1枚 | 1枚へ入れる項目と担当 |
| 制約 | 企画シートは1枚 | 書く量や図の有無など、企業から形式の指定がない部分 |
| 発表方法 | 3分で発表 | 話す順番、発表担当 |
| 終了時刻 | 課題文や当日の説明で指定される | 案を決める時刻、作り始める時刻 |
グループワークの進め方|7つの手順
課題によっては、役割分担と意見出しを同時に進める場合もあります。7つの手順を基準にしながら、実際の課題と残り時間に合わせて順序を調整してください。
課題と成果物を読み合わせ、時間の区切りと作業を決める(手順1〜3)
意見と材料を出し、課題に合う条件で案を1つに絞る(手順4〜5)
成果物を作り、課題へ答えているか確認して発表する(手順6〜7)
「決める」を引き延ばすと、「つくる」が丸ごと足りなくなる
7つの手順は「そろえる→決める→つくる」の3つのまとまりで考える
7つの手順
- 課題と成果物を読み合わせる課題文を全員で確認し、何を提出または発表するかをそろえます。分からない言葉があれば、課題文に書かれた範囲で意味を確認してください。自分の判断で課題を別のものへ変えません。言い方の例最終的に何を提出するのか、先に確認しませんか。
- 完成までの時間と区切りを決める終了時刻から逆算し、案を決める時刻、成果物を作り始める時刻、発表の確認へ移る時刻を決めます。何分ずつという決まった割合はありません。発表の準備時間を残すことだけ、先に合意しておきます。言い方の例最後に確認する時間を残して、何時までに案を決めるか決めませんか。
- 必要な作業と役割を分ける進行、時間確認、意見や情報の記録、調査や計算、資料や成果物の作成、発表に分けます。すべてを別の人が担当する必要はありません。短い課題では、役割名を付けずに作業だけを分けても構いません。
- 意見と材料を出す最初から1案へ決めず、課題に関係する案を複数出します。事実と仮定は分けて扱ってください。ほかの案が出たら、自分の案を守ることを目的にせず、同じ条件で比べます。似ている案はまとめ、違いがある案は理由を確認してください。言い方の例まず候補を出してから、課題に合うものを比べませんか。
- 案を整理して決める課題に応じて判断基準を決めます。対象に合っているか、課題へ答えているか、制約の中で実行できるか、理由を説明できるか、成果物へまとめられるか。どの基準を使うかは、課題ごとに変わります。言い方の例今の案を、対象に合っているか、実行できるかで比べてもよいですか。
- 成果物を作る決めた内容を成果物へ移します。記録係だけへ任せず、全員が完成形を見られる状態にしておくと、認識のずれが残りません。人数に余裕があれば、制作する人と内容を確認する人を分けます。人数が少ない場合は、途中の成果物を全員で見ながら確認してください。議論を続けすぎて、制作開始が遅れないようにします。
- 課題へ答えているか確認して発表する発表前に、課題へ直接答えているか、対象が途中で変わっていないか、制約を守っているか、結論と理由がつながっているか、発表時間に収まるか、発表者が内容を説明できるか、グループ内で認識がずれていないかを見ます。言い方の例最初の課題へ戻って、抜けている項目がないか確認しましょう。
7つの手順のうち、時間が足りなくなりやすいのは6と7です。案が決まった時点で、残り時間の半分以上を制作と確認へ残せているかを一度見てください。残っていない場合は、案の検討を切り上げます。
役割分担の決め方と5つの役割
役割は、課題、人数、使える時間に合わせて必要なものだけを決めます。1人が複数の役割を担当して構いませんし、短いワークでは正式な役割名を決めずに作業を始める場合もあります。役割名だけで有利、不利が決まるわけではありません。
| 役割 | 行うこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 進行役 | 課題と成果物を確認する/次に行う作業を示す/話が課題から外れたら戻す/メンバーの意見をまとめる | 自分の案だけで進める/すべての発言へ評価を付ける/ほかの人へ作業を指示するだけになる |
| 時間確認役 | 決めた区切りを伝える/成果物の作成開始を促す/発表確認へ移る時間を伝える | 残り時間だけを読み上げる/区切りを決めずに時間を知らせ続ける |
| 記録役 | 意見を分類して見える形にする/決定事項と未決定事項を分ける/成果物へ使う要点を残す | 発言を一字一句書き写す/記録へ集中し、話し合いへ参加しなくなる |
| 制作・作業担当 | 資料、企画書、模型などを作る/決まった内容と成果物を一致させる/途中の状態をグループへ共有する | 自分だけで内容を変える/完成直前まで成果物を共有しない |
| 発表役 | グループで決めた結論を話す/結論と理由をまとめる/発表時間を確認する | 発表直前に新しい意見を加える/自分の意見へ置き換える |
役割は途中で変えて構いません。制作へ人手が必要になった場合や、発表準備が遅れている場合は、担当外でも必要な作業を引き取ります。最初に決めた役割を守り続けることより、課題に必要な作業を終えることを優先してください。
役割を選ぶときの考え方
どの役割を選ぶか迷う場合は、普段の自分がやりやすい作業から選びます。慣れていない役割を本番で引き受けると、作業そのものに時間を取られます。
| ふだん得意なこと | 向いている役割 | 本番で意識すること |
|---|---|---|
| 話をまとめる | 進行役 | 自分の案を通す場にしない |
| 人の話を書き留める | 記録役 | 決まったことと未決定を分けて書く |
| 資料やスライドを作る | 制作・作業担当 | 途中の状態を早めに見せる |
| 段取りを決める | 時間確認役 | 区切りの時刻をセットで伝える |
| 人前で話す | 発表役 | 決まった内容からはみ出さない |
役割がなくてもできること
役割名が付いていなくても、課題の確認、意見の整理、成果物の作成には参加できます。いま不足している作業を見つけ、自分が行えることを引き取ってください。
| できること | 確認する内容 | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 課題と成果物を確認する | 最後に提出するものと、発表方法 | 最後に出すものは、企画シート1枚で合っていますか。 |
| 出ている意見を整理する | 案がいくつに分かれているか | 今の案は、価格を下げる案と、待ち時間を減らす案に分かれそうです。 |
| まだ決まっていないことを確認する | 決定済みの項目と、未決定の項目 | 対象とサービス内容は決まりましたが、利用方法がまだ決まっていません。 |
| 成果物の抜けを確認する | 課題文の項目が成果物へ入っているか | 発表に必要な理由と実施方法が入っているか見直しませんか。 |
| 必要な作業を引き取る | 手が足りていない作業 | 企画シートの利用方法の部分を私がまとめます。 |
完成を急ぐあまり、課題から外れた成果物にならないよう、課題へ答えているか、決めた内容と成果物が一致しているかもあわせて確認します。
成果物と発表のつくり方
グループワークがグループディスカッションと最も違うのは、話し合った内容を形にして提出する工程がある点です。ここでは、企画シート1枚の場合とスライドの場合、そして発表のまとめ方を整理します。
企画シート1枚にまとめる
1枚にまとめる場合は、埋める欄を先に決めてから書き始めます。欄を決めずに書くと、途中で場所が足りなくなり、作り直しになります。前のセクションと同じ「大学生向けの新しい学食サービス」という架空の課題で示します。
| 欄 | 書く内容 | 学食サービスの例 |
|---|---|---|
| 課題 | 与えられた課題をそのまま写す | 大学生向けの新しい学食サービスを提案する |
| 対象と困りごと | 誰の、どの場面の困りごとか | 3限後に食堂が混み、昼食を抜く学生がいる |
| 提案 | 何を提供するか | 受け取り時間を指定して注文できる弁当窓口 |
| 理由 | なぜその提案が課題へ答えるか | 待ち時間を短くすれば、昼食を抜く学生が減る |
| 実施方法 | どう動かすか | 既存の食堂設備を使い、昼の2時間だけ運用する |
| 制約の確認 | 課題文の条件を満たしているか | 大学生向け/シート1枚/3分発表 |
企画シート(1枚)
欄を決めずに書くと、途中で場所が足りなくなる
先に6つの欄を決めてから書き始める
1枚に入れないほうがよいもの
- 決まっていない案を併記する(結論が伝わらなくなる)
- 装飾や色づけを優先する(必須項目が入りきらなくなる)
- 数字の根拠がない推計(課題文に資料がない場合)
- 発表で話す内容をそのまま文章で書き写す
スライドを作る場合の枚数の目安
スライドの場合も、枚数を先に決めます。発表時間に対して、1枚あたり30〜45秒で話す配分が目安です。
| 発表時間 | 枚数の目安 | 構成の例 |
|---|---|---|
| 1分 | 1〜2枚 | 結論+理由 |
| 3分 | 3〜5枚 | 課題の整理/提案/理由/実施方法 |
| 5分 | 5〜8枚 | 上記+想定される課題と対応 |
枚数の指定が案内にある場合は、その指定が優先されます。
発表のまとめ方と原稿の例
発表は、結論から話します。グループで決めた結論、その理由、実施方法の順に並べると、時間内に収まりやすくなります。ここでは「大学の図書館の利用者を増やす施策」という架空の課題で、3分発表の冒頭を示します。
3分発表の冒頭(約220字)
私たちのグループは、図書館の利用者を増やすために、1階の閲覧席を予約制の作業席へ変えることを提案します。
理由は2つあります。1つは、現在の閲覧席が自習目的で埋まり、資料を探しに来た学生が座れない時間帯があることです。もう1つは、予約制にすれば、空いている時間帯が分かり、利用を分散できることです。
実施方法は、既存の座席の半分を予約対象にし、学生証で30分単位から予約できるようにします。新しい設備は使わず、既存の掲示板と学内のシステムで運用します。
時間が短い場合は、理由を1つに絞ります。結論と理由がつながっていれば、要素が少なくても発表として成立します。
| 持ち時間 | 話す内容 | 省くもの |
|---|---|---|
| 1分 | 結論/理由1つ | 実施方法の詳細、背景の説明 |
| 3分 | 結論/理由2つ/実施方法 | 想定される課題への対応 |
| 5分 | 結論/理由2つ/実施方法/想定課題と対応 | 議論の経過の説明 |
発表者以外も、質問が来た場合に答えられるよう、結論と理由を共有しておきます。言い方の例発表の前に、結論と理由を一度声に出して確認しませんか。
提出・発表前の最終チェック
提出や発表の直前に、次の7点を順に見ます。すべてを直す時間がない場合は、上から順に優先してください。
直す時間が残っていない場合は、成果物を作り直すのではなく、発表で補う方法もあります。抜けている項目を発表の中で口頭で説明すれば、課題へ答えていることは伝えられます。
進行が止まったときの戻し方
グループワークでは、次の作業が決まらず進行が止まることがあります。止まっている理由を確認し、課題、判断基準、残り時間のいずれかへ戻してください。
| 起きていること | 次に行うこと | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 誰も話し始めない | 課題と成果物の確認から始める | まず、最後に何を完成させる課題か確認しませんか。 |
| 意見が出るだけで決まらない | 案を比べる基準を決める | 課題へ合っているかと、実行できるかの2点で比べませんか。 |
| 一人の発言が続いている | 話の内容を一度まとめ、まだ確認できていない条件や観点を出す | 今の案は〇〇という方向で理解しました。対象や実現方法についても確認しませんか。 |
| 意見が対立している | 人ではなく、案と判断基準を比べる | どちらが課題の対象に合うか、同じ条件で比べてみませんか。 |
| 話が課題から外れている | 課題文の文言へ戻す | 課題文では「提案する」とあるので、提案の形へ戻しませんか。 |
| 制作が始まらない | 作る担当と入れる項目を先に決める | 先にシートの欄を決めて、埋めながら話しませんか。 |
| 時間が足りなくなった | 課題文に書かれた必須項目を確認し、成果物の作成と発表準備へ移る | 提出に必要な項目を確認して、作成と発表準備へ移りませんか。 |
時間が足りない場合は、課題へ答えるために必要な項目から完成させます。追加の装飾や説明は、必須項目がそろった後に行ってください。
止まったときに戻る3つの場所
課題文
何を求められているかへ戻す。言葉の解釈がずれていることが多い
判断基準
案を比べる条件を決める。基準がないと決まらない
残り時間
次の区切りまでの時間を共有し、作業へ移る
戻したあとは必ず「次に何をするか」を一言で決める
例:「では、対象を1年生に絞って、シートの欄を埋めましょう」
進行が止まったら、この3つのうちどれが欠けているかを見る
仕切りたがる人がいるときの対応
一人が話し続けたり、自分の案だけで進めようとしたりする場面があります。相手を止めることが目的ではないので、否定の言葉は使いません。人ではなく、課題と残り時間へ話を戻します。
進行役や時間確認役を決めている場合は、その人が区切りを伝えるほうが角が立ちません。役割を決めていない場合でも、気づいた人が残り時間を口に出すだけで進行は戻ります。それでも変わらない場合は、全員へ向けて次の作業を提案し、作業を始めてください。
自分が同じ状態になっていないかも、あわせて確認してください。自分の発言量が多いと感じたら、次の発言を一度ほかの人へ譲ります。
よくある失敗と立て直し方
| よくある失敗 | 起きること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 議論を続けすぎる | 制作が始まらず、提出物が未完成になる | 案を決める時刻を決め直し、その時刻で打ち切る |
| 役割を決めて満足する | 分担しただけで作業が進まない | 役割ごとに、次の10分で何を終えるかを言葉にする |
| 記録が残っていない | 決めたことを繰り返し話し合う | 決定事項だけを別の場所へ書き出す |
| 制作担当に任せきりになる | 完成形がグループの合意と違う | 途中の状態を一度全員で見る時間を取る |
| 課題文を読み返さない | 提案が課題から外れる | 発表前に課題文を音読して項目を照合する |
| 発表練習をしない | 時間が超過し、結論まで話せない | 冒頭の結論と理由だけでも声に出して確認する |
どの失敗も、原因は時間の区切りを決めていないことと途中の状態を共有していないことに集まります。この2つを先に決めておけば、立て直しの回数は減ります。
対面・オンラインで確認すること
オンラインで参加する場合は、作業を始める前に次を確認します。使用ツール、表示名、カメラとマイク、共同編集資料、編集権限、画面共有、接続トラブル時の連絡先です。ミュート、カメラ、チャットの扱いは、企業やホストからの案内を優先します。
| 確認すること | 対面 | オンライン |
|---|---|---|
| 課題と資料の共有 | 課題文や配布資料を全員が見られるか | 資料のリンクを全員が開けるか |
| 作業内容の共有 | 作業中の内容を全員が見える場所に置いているか | 画面共有で途中経過を見せる時間を取っているか |
| 発言と音声 | 声が全員に届いているか | 同時に話し始めたら一度止まり、譲る順番を決める |
| 決定事項の記録 | ホワイトボードや付箋に残しているか | 口頭で決めたことを、利用できる資料へ残しているか |
| 成果物の提出 | 誰の手元で作り、どこへ提出するか | 提出先と、提出できる形式 |
| トラブル時の対応 | 配布資料や筆記用具の不足をどう伝えるか | 接続が切れた場合の連絡先と、再接続までの進め方 |
対面では、一人だけが資料や成果物を持ち続けないようにします。オンラインでは、画面共有している人だけで内容を決めないよう、途中で全員へ見せる時間を取ってください。共同編集資料は、利用できる場合や、企業から使用を認められている場合に使います。
オンラインで起きやすいことと対応
練習方法と終了後の振り返り
一人でできる準備
- 課題文から目的と成果物を抜き出す
- 完成までに必要な作業へ分ける
- 複数の案を出してみる
- 案を比べる条件を考える
- 結論と理由を短くまとめる
- 進行を戻す言葉を声に出す
一人でも、課題の読み方と作業の分け方は練習できます。ただし、他の人の意見を聞いて案を変える場面や、発言が重なる場面までは再現しにくいため、可能であれば複数人でも試してください。面接の場面を含めた一人での練習方法は、面接練習の進め方|一人でできる対策から模擬面接まで解説で整理しています。
複数人で行う練習
練習の手順
- 架空の課題を1つ選ぶ成果物と制限時間が決まっている課題にする
- 制限時間と成果物を決める30分・企画シート1枚など、本番に近い条件にする
- 必要な役割だけを決める全員に役割名を付けなくてもよい
- 意見出しから成果物完成まで行う途中で止めず、最後まで通す
- 発表する時間を計り、話す内容が時間に収まるか見る
- 作業が止まった場面を振り返る課題・基準・時間のどれが欠けていたかで分類する
- 次回に変えることを1つ決める複数決めると実行されにくい
練習ごとに役割を変えると、進行、記録、制作、発表それぞれの立場から作業を確認できます。
練習に使える架空の課題例
練習用の課題は、成果物と制限時間が決まっているものを選びます。次の3問は、この記事の手順を試すために作った架空の課題です。企業の実際の出題ではありません。
課題例1(課題解決型・30分/企画シート1枚・3分発表)
大学生の利用が減っている学内の売店について、利用者を増やす施策を1つ提案してください。対象、提案、理由、実施方法をシート1枚にまとめ、3分で発表してください。
課題例2(選択型・30分/口頭発表2分)
新しいサークル紹介の方法として、紙のパンフレット、学内掲示、SNSの3つの案があります。新入生へ最も届く方法を1つ選び、選んだ理由と、ほかの案を選ばなかった理由を説明してください。
課題例3(作業型・20分/提出用メモ)
合宿の予算が1人あたり12,000円です。宿泊、食事、交通、レクリエーションの4項目へ配分し、配分した理由をメモ1枚にまとめてください。計算の前提も書いてください。
3問とも、最後に出すものと時間を先に決めてから始めてください。終わったら、課題・判断基準・残り時間のどこで止まったかを振り返ります。
AIを使う場合
AIは、練習課題の作成、課題文の分解、判断基準の候補、振り返りのまとめに使えます。複数人の会話を完全に再現するものではないため、チーム練習の代わりではなく、事前準備と振り返りへ使用してください。
課題を出した後は、すぐに模範解答を示さず、目的、成果物、制約、必要な作業を私に質問してください。
終了後に記録すること
グループワークが終わったら、その日のうちに次の7項目を残してください。次の選考で同じ場面に出会ったとき、何を変えるかが決まります。
企業の案内に書かれた実施日時、形式、使用ツール、持ち物、提出物、結果連絡の予定も同じ場所へ残しておくと、ほかの企業のES、Webテスト、面接の予定と並べて確認できます。記録した内容は、ガクチカでインターン経験を書く例文3選|面接官に響くSTAR法で紹介している書き方へそのまま使えます。
グループワークのよくある質問
まとめ
グループワークでは、役割を決める前に、課題と成果物を確認します。何を完成させるのか、使える時間と材料は何かをそろえたうえで、必要な作業へ分けてください。役割は、課題、人数、時間に合わせて必要なものだけを決めます。
意見が出たら、課題に合う条件で比べ、成果物の作成へ移ります。発表前には、課題へ答えているか、制約を守っているか、結論と理由がつながっているかを確認してください。終了後は、止まった場面と次回に変えることを1つ記録します。まずは企業から届いた案内を開き、実施形式、成果物、発表の有無を確認してください。



